『天才バカボン』 (てんさいバカボン)は、赤塚不二夫の漫画である。彼の代表作であるとともに、日本に於けるギャグ漫画の代表的な作品でもある。ギャグ漫画の金字塔として世代を問わず、ファンも多い。
「おそ松くん」でギャグ漫画の漫画家として不動の人気を得た赤塚不二夫が、続けて書いた作品。初出は、1967年4月9日発行の「週刊少年マガジン」である。「バカボン」の語源には諸説あり、「バカなボンボン」から由来する説(赤塚自身こう説明していた時期がある。なお「ボンボン」は関西弁で「坊ちゃん」の意)、「バガボンド=放浪者」からきたとする説、そして仏教語の「婆伽梵=釈迦」からきているという説もある。ちなみに1993年に赤塚本人がテレビ番組で「バガボンド説」を言っているが、「だからパパは無職でなくてはならない」とも言っており、バカボンではなくパパを基準にしているところが疑問でもある。
バカボン一家の居住地の設定は、赤塚不二夫自身の事務所「フジオ・プロ」がある東京都新宿区下落合。アニメ版では確認できないが、コミック版ではこのことに幾度も触れており、実際に下落合界隈に存在する店舗名もしばしば登場する(赤塚自身も「下落合焼きとりムービー」という映画を制作している)。
その後、週刊少年サンデー、週刊ぼくらマガジンと連載雑誌の断続的な切り替え等を行い、1976年12月5日発行の「週刊少年マガジン」で一応の完結を見るが、その後も登場人物の抜群のキャラクターぶりを発揮して、現在に至るまで単なるギャグ漫画の枠を越えた、単行本、テレビ、CM等各種メディアに多数出演しており、その全貌を把握することは困難である。
また作品自体も、何度かにわたりコミックボンボン等で再執筆され、2006年現在、同誌で傑作選が掲載されている。
傑作選は当時の再録だが、時代にそぐわないセリフや過激な下ネタ等が差し替えられている。
そして欠かすことができないのが、この作品のアニメ化である。
4回にわたりアニメ化され、世代を通じ子どもたちを中心に爆発的な人気を得るようになり、現在もその人気は不動のものであると言える。